今年も救い主イエス・キリストの降誕を祝うクリスマス礼拝をささげました。
私たちが普段目にするクリスマスは心浮き立たせる華やかなものですが、本当のクリスマスは派手できらびやかなものとは対極の貧しい馬小屋での出来事でした。
旅先のベツレヘムで臨月を迎えたマリヤと夫ヨセフは、泊まる宿もなく、家畜小屋の洞窟で夜を明かしました。暗い家畜のにおいが鼻をつく厩(うまや)で、イエスはひっそりとお生まれになりました。出産を見守ったのは家畜たち、赤子を寝かせるゆりかごもなく飼い葉おけに寝かせられた姿は、世界の救い主とはおよそ似つかわしくないものでした。
しかしこの誕生は、貧しさの底辺の人々のわびしさと心の暗闇を共有し、罪人の友となり、十字架の死をもって私たちを赦し、罪から救いだすための神の摂理でした。
主イエスは、私たちを高みから見下ろし服従を強制する専制君主ではない。私たちとともに笑い、泣き、苦しみ、孤独にうめき、ともに生きてくださる方です。だからこそ、私たちはこの方を主と仰ぎ、礼拝するのです。
悲しみにくれている人、孤独に襲われている人、生きる意味がわからなくなっている人にとって、世の中にあふれているクリスマスはまぶしすぎて、やるせないものですらあるかもしれません。
しかし本当のクリスマスは、心の闇に苦しんでいるあなたの心に、差し込んでくる一条の光です。それはまぶしすぎて目をふさぎたくなるものではない。あなたの痛みにそっと寄り添うあたたかな愛と平安の光です。
このクリスマスの平安と喜びがあなたの上に、私たちの上に、ありますように。
メリークリスマス!
大野 夏希