第一部は、聖書学者であり、フェミニスト神学宣教センター共同ディレクターでもある山口里子さんより、「親から『失敗作』と言われた友人』と題してメッセージをしていただきました。
脳性麻痺という障害を持って生まれた山口さんのご友人のAさんにまつわるお話でした。わずかに動かすことができるのは指だけで、生まれながらに寝たきりの生活を余儀なくされたAさんは、父親から小さい頃から「お前は失敗作だ」と言われて育ちました。身体が大きくなると介護が大変になるからと最低限の食事しか与えられず、排尿を極力しないよう十分な水分も摂らせてもらえませんでした。25歳で身体障害者施設に入所するまでそのような虐待を受け続けることになります。施設に入所したAさんは文字を書くことを覚え、多くの詩を書くようになりました。その詩に魅せられた入所者の人々がAさんのところに悩みを聴いてもらいたいとやってくるようになりました。そのような中、アルビノの障害を持った寮母のBさんと親しくなったAさんはBさんと交際を始め、Bさんが別の施設に移った後も文通を続けたのです。二人は実に300通もの手紙を交わし、愛を深めていったのでした。
二人の結婚は家族を始め多くの人々から反対されました。しかし、二人は多くの困難を乗り越え、7年の交際を経て遂に結婚しました。Aさんはわずかに動く指を使って、洗濯物を干す道具などを発明しました。Aさんはそのような道具を使って家事をし、Bさんが働いて生計を立てるという生活をしながら、3人の子どもを育て上げたのでした!
25年もの長い虐待を受けながらも希望を捨てることなく、多くの人を力づけ、障害に屈することなく神を仰ぎ続けたAさんの生涯に強く心を打たれ、涙があふれました。人がその人らしく力の限り生きる姿はなんと美しいのでしょうか。私たちが、他の誰でもない自分自身として自由に、ありのままを生きることができるように、主イエスは産まれてくださったのだと感謝したメッセージでした。
第二部は「讃美歌を歌う会」による賛美、そして讃美歌を歌いながらクリスマスプレゼントの交換です。みんなそれぞれ自分にぴったりのプレゼントが回ってきたようで、感謝と笑いに包まれました。その後、持ちよりの愛餐会。20種類近くあったご馳走はあっという間になくなりました。心も身体も満たされ、心がホカホカになった会でした。
大野 夏希
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